第1回日本疾患幹細胞学会学術集会
会 長 井上 治久
(京都大学iPS細胞研究所)
第1回日本疾患幹細胞学会学術集会
会 長 井上 治久
(京都大学iPS細胞研究所)
このたび、第1回日本疾患幹細胞学会学術集会を開催するにあたり、ご挨拶を申し上げます。
iPS細胞が誕生してから20年が経ちました。この間、疾患特異的iPS細胞、あるいは体性幹細胞を用いた疾患研究は飛躍的に進展し、難治性疾患の病態解明、新たな治療法や創薬開発といった医療イノベーションの最前線を担う分野へと成長しました。さらに、細胞製造技術、ゲノム編集、AI解析など先端技術との融合も進み、かつては不可能だった研究と応用が現実のものとなりつつあります。
本学術集会のテーマは、「疾患幹細胞研究 新たなステージへ -私たちの知と力を結集するとき- 」と致しました。この節目の年にあたり、研究成果の発表にとどまらず、分野や立場を超えた「連携」「対話」「共創」を通じて、疾患幹細胞研究の未来を切り拓く場にしたいという思いをますます強く持っております。
本集会では、多様な背景を持つ参加者が一堂に会します。最前線の研究成果を共有し、異なる視点を交わし、共通の課題を議論し、将来の協働を芽吹かせる機会にしていただきたいと願っております。疾患幹細胞研究を社会実装し、医療、そして社会に還元するためには、こうした「知のネットワーク」が不可欠です。
また、未来を担う若手研究者や学生の皆さんには、ぜひ積極的に議論に参加し、新たな視点や挑戦を示していただきたいと期待しています。学術集会で生まれる出会いや対話が、皆さまの研究活動に新たなインスピレーションをもたらし、次の20年をつくる大きな一歩となることを心より願っております。
本学会の活動と本学術集会へのご指導とご鞭撻に深く感謝申し上げますとともに、本学術集会への積極的なご参加を心よりお願い申し上げます。